有馬記念を別角度から検証

今回はいつもの予想スタイルを崩してこのレースを検証していきます。
本年の有馬記念は一見単純そうに見えて実に難解なレースであると感じています。
そこをいつものスタイルで責めても面白みが無かろうと感じたって訳です。
今年の有馬のキーポイントは「いつもと違う競馬が及ぼす影響」とでも題しておきましょうかね(笑)
以下はラジオNIKKEIの記事を独自に単純化したもの。


ウオッカ
角居:「中山競馬場は、東京競馬場ほど直線も長くありませんし、後方からでは届かないでしょうから、その点がカギになります。いい位置につけて、競馬が出来ればと思います。」
四位:「超一流の古馬が相手、そんなに甘くは無いと思います。東京は直線が長いからゆっくり構えられるけど、今回は中山、位置取りも考えなければなりません。」


見解:このコメントからも解るようにJCと同じ直線一気の競馬はしないでしょうね。JCの騎乗は賛否両論あると思うけど最後方に位置したのは間違ったチョイスじゃ無かったと思う。ただ四位が犯した大きなミスは大外に進路を取った事。メイショウサムソンが前にいるなら、あそこでは前が壁になるリスクを背負っても内に進路を取るしか勝ちは無かったはず。ただ四位自体はJC後のコメントで自分の騎乗は責められる要素は無いと憤慨していた。なのに今回両者が揃って前目に付くというコメントを出しているという事はオーナーサイドから強い要請があったように思う。ただ今回こそウオッカには最後方付近に位置して直線に賭けて欲しかったというのが本音。これは後々の総括で語るので、ここでは省略。


ダイワスカーレット
松田国:「有馬記念に向けて、攻めの調教もできていますので、競馬でも強気に乗ってもらえると思います。」


見解:いつも通りの正攻法と考えてまず間違いないでしょうね。結果が出ているスタイルを最後の最後で崩すとは思えませんし。


サンツェッペリン
斎藤誠:「今度は人気もないので、北村宏司騎手には気楽に乗ってもらいます。ただ、まともにやっては勝てない相手なので、どこかで奇策のようなことをしないといけないでしょう。2500メートルはどこかでゆったりとなるので自分で動いて、自分のレースをして欲しいですね。」


見解:実はバルクでは無く、こいつが今回レースを破壊する一頭と睨んでいます。騎手も指示を受けているみたいですから確実にサンツェッペリンの得意な形に持ち込もうとして3〜4コーナーで動くはず。ここで初めてダイワスカーレットは厳しい流れを体験するはず。ただ馬の力量が力量だけにレースを締めた後に垂れていくのは目に浮かびますが。


ダイワメジャー
上原博之:「レースは枠順にもよりますが、昨年と同じような先行抜け出しという競馬になると思います。そのあたりはデムーロ騎手もわかっているでしょう。」


見解:まあこの馬も今更結果を出してきたスタイルを崩すはずが無いので早めの競馬でしょうね。


ハイアーゲーム
大久保:「今度は中山の2500メートルである程度前につける競馬ができればいいでしょう。ただ、スタートがあまりうまくないので、その時しだいですね。」


見解:まず三歳時のイメージはもうこの馬には無いでしょうね(後方待機は無いという事)。アルゼンチン共和国鳴尾記念を見ても解るように最近は前目に付けて結果を出していますし。今回もそこまで積極的に動かないにしろ前に付けたいのは否定出来ないでしょう。



と事前に関係者のコメントだけで位置取りの意図がわかるのは以上の馬。ただ競馬はやってみなければ分かりませんし、必ずしもレース前に決めた想定通りという事は言えません。ただこれだけレース前に最終週中山を考慮して「前につきたい」という類のコメントが揃っているというのは、そういう意思があるという事。これに正確なコメントは出していませんが、前に位置取りたい馬も加わります。以下は私的な見解から前に付きたいと思われる馬。


メイショウサムソン
見解:まず豊が前走の競馬を自分のミスと認識している事。JCで位置取りが後ろ過ぎて叩かれた事(多分オーナーサイドからも何かしらあったはず)。全幅の信頼を寄せていたディ−プですら前目に位置取ったハーツクライを捕らえられなかった事。調教師がJCのような競馬でスパッと切れれば理想だけど、現状ではあのジリさは治らないと言っている事。過去中山で結果を出してきた競馬が4コーナーではかなり前目にいてのものだという事。これらを加味すればおのずとJC程の待機策はチョイスしないと思います。それとサムソンはJCで疲れが出たみたいで、今回直前の調教で豊がかなり強く追いましたね。状態面も全幅の信頼まではどうかという事も頭に入れておきたい。


コスモバルク
見解:言わずと知れたトラブルメイカー(笑)強気が売りの松岡が騎乗するし、今回もいつも同様先行集団の一角を形成するのは間違いないでしょう。こいつとサンツェッぺリンが先行集団にいると思うだけで何かが起こりそうな気もしますが。ただ故意に他馬の邪魔をする五十嵐じゃない点が、少しまともな競馬をしそうな気もしますが。


フサイチパンドラ
見解:こいつも最近結果を出してる先行策をここでわざわざ封じるとはちょっと考えにくいですね、先行集団の一角と考えていいでしょう。


デルタブルース
見解:この馬は前目に付くしか好走の可能性がありませんからね。控えてどうこういう脚じゃ無いし。


ポップロック
見解:この馬も結果を出してる脚質を大幅に転換するとは思えません。


<総括>
こう考えて実に今回殆どの馬が中山というコース、そして最終週という事を考慮に入れて早目に動きたいようですね。展開予想だったら大きく外れたりするのが競馬の常ですが、グランプリという事で調教師・騎手の口も軽く、この材料で判断しているので、想定通り前が厳しいスタミナ的なタフさも求められるレースになると思います。ここから言えるのはウオッカが最後方に位置どれば是非買いたかったという事。ただ大外というとんでもない貧乏くじも引きましたから、今回はかなり厳しいでしょうね。ただここまで外に入るとかかる質を考慮に入れて腹を括る可能性も否定出来ませんが…上記で両者語っているようにどうしてもいいポジションが欲しそうなので限りなく望みは無いとふんでいます。そしてダイワスカーレットも今回は確実に厳しい競馬になるはず。中山最終週という事を考慮に入れれば、今までのように楽に行ける可能性は限りなく0だと思う。しかも世界の名手が4人も来日してますからね。今までのようなヌルイ競馬はまずさせないでしょう。それを克服して勝ったのなら、それは素晴らしい事。ただ私はこの馬が、そこまでの厳しい条件をクリア出来るとは思えない。判断が難しいのはメイショウサムソンでしょうね、やはり。前に付けたいのは疑いようないんだけど、豊は外野から何を言われようと自分で競馬(ポジション)を決める力がありますからね。展開が速い中でわざわざ彼がそこに加わるかという疑問はあります。そしてズブズブのスタミナ競馬に強いのがこの馬であるのは疑いようないですし。まあこの馬はそういう要素を考慮に入れても、やはり連軸という面では一番信頼出来るかなと。ロックドゥカンプは当初完全にカモと思っていたんですね。今年の3歳牡馬世代は周知のようにかなりレベルが低いですし。ただキネーンが位置取りの意思表示をしてない事、ロックドゥカンプが自在な脚質である事、この時期に53Kという魅力、週末の雨予報…何か流れがどんどん向いてきてるようで切るには流石に怖いかなと思い始めた訳です。しかも自分の脳内で展開や血統を加味していっても評価の下げようが無いんです。唯一の世代の弱さも、その世代ではやはり大将格ですから単純な比較が出来ないんですね。一級古馬とは走ってみないと解らない。という事で自分の中ではサムソンに次いで評価したい。それにズブズブなスタミナ勝負に強いポップロック。何か結局印自体は至ってどこにでもありそうな物になったのが癪ですが…まあしょうがない。


メイショウサムソン
○ロックドゥカンプ
ポップロック


馬券は◎からの馬連2点。◎○△の三連複一点。○の単勝