有馬記念〜1〜

ダートを主戦に予想する当サイトにとっては有馬記念を予想するのは少し場違いかなと思いますが、最も馬券が売れる日ですし、やはり年の瀬の最後のG1で勝って終わりたいという意味も込めて今日から予想していきます。とは言う物の自分の中では、ほぼ買う馬券は決めているので、消す根拠をメインに書いていこうと思います。



<いきなり脱線>

有馬記念で一番思い入れが深いレースは、やはり1998年の第43回スペシャルウィークグラスワンダーの壮絶なる叩き合いでしょう。確かに第39回のナリタブライアンの独壇場、そして第38回のトウカイテイオーのドラマのような復活劇、第37回のメジロパーマの逃亡劇、そして第35回のスタンドを一体化させたオグリキャップと今でもまざまざと思い起こせる素晴らしく又は衝撃的なレースも惹かれます。



でもやはり1998年の叩き合いは、それらの天たるレースを前にしても抜けている。

この年のスペシャルウィークは秋緒戦の京都新聞杯こそ調整の遅れから大惨敗を喫しますが、天皇賞(秋)を白井・豊の天才的な発想と言われる「当日追いきり」で物にし、ジャパンカップでは当時世界最強と言われたモンジューを下した。そして古馬三冠がかかった有馬記念



そうです・・・グラスワンダーに雪辱出来る最後のチャンス。正しく神が与えた最後の最後の大チャンス。当年の宝塚記念で決定的な苦杯を舐めさせられた豊とスペシャルウィークにとって、グラスワンダーを倒す事は悲願とも言えた。



私はこのスペシャルウィークという馬が大好きでした。脈々と受け継がれてきた牝系にサンデーサイレンス。馬体から発する高貴な感じと格好良さ。そして何より豊に初めて「ダービー」という称号をプレゼントしてくれた。あの圧勝劇のダービーもVTRを何度も見れば、いかに豊がゴーサインの合図を完璧に出したか理解できます。だからあそこまで楽勝できた。



そしてゴール後に、あの天才が一目も憚らず喜びのポーズを繰り返した、何度も何度も。

同時にTVの前にいた自分は画面を見ながら泣いた記憶があります。

やはり武豊という人は自分にとっては別格で、「今更、豊かよ」と笑う人がいるかもしれないが、私は彼こそ本物のスーパースターであると思う。どの世界にしろトップを走り続けるというのは容易な事ではない。そして彼の謙虚な姿勢。そんな姿が日本の競馬をここまでのレベルに持ち上げたのだと思います。

勿論、馬券を前にすれば話は別ですがね(^^;



話は戻って1998年の有馬記念・・・

私のグラスワンダー嫌いは馬券にも影響し、この馬で馬券を取った記憶がありません。

どうしてもあれだけの強さを見せながら、年に数度しかターフに姿を見せられない、その身体的な弱さが許せなかった。そしてやはり愛しの名馬スペシャルウィークをあそこまで苦しめ続けたのが、この馬だったという事。



スタート後から道中ずっとスペシャルウィークグラスワンダーだけの空間が流れた。

両騎・両馬共に最早スタート前から敵は一人(一頭)と決め付けているように。

あそこまで二人のトップジョッキーが露骨にその態度を出したのは見ていて鳥肌が立ちました。

そして伝説となった、あの短い様で永遠に続くかと思わせた直線。

互いの騎手、互いの馬が一歩も譲らない壮絶なる叩き合い。

トップガンとブライアンの叩き合いも素晴らしい物があったが、やはり両馬が全盛期に近い状態での物という意味を込めるとこちらに軍配が上がる。



そしてゴール板通過後に手を高々と手を上げた豊。

「ついに勝った!」とTVの前で感動の涙を流しそうになりました。

だけど、判定は長かった・・・そうあのレースを個人的に一気にどん底に突き落とした瞬間。

1着グラスワンダー2着スペシャルウィークという決定的な番号。そして着差は鼻差。

ターフビジョンには最後の写真判定の映像が流されました、僅か3cm。

あれだけの大きな体格を持った馬にすれば、毛先程の長さ。



思わず「嘘だろ・・・」という言葉を発してしまったのが、今のように現実深い。

あの武豊ですら、その判定を間違えたのだから一般人にわかるはずがない。

でも近代文明の結晶である、精密なそして残酷な機械は最も正しい判断を下した。



ここでスペシャルウィークの競馬人生は終焉を迎えました。

豊も悔しさを噛み殺しながら、そして間違えた事をはにかみながらインタビューに答えていた。



今思い起こせば、グラスワンダーという化け物がいたからこそスペシャルウィークという馬は輝けたのだと思います。でも当時はショックが大きすぎてそこまでの考えにはどうしても辿り着けなかったけど(笑)



そんな思い入れが深い、競馬の祭典・有馬記念

時を超え天才は競馬史上類を見ない怪物ディープインパクトの背にまたがっています。

近代競馬の結晶とまで言われたディープインパクト



そしてそれを防ごうとする昨年の古馬三冠馬ゼンノロブロイ

鞍上を五十嵐に戻した地方のアイドル・コスモバルク

最後に一花、タップダンスシチー

好調角居厩舎の刺客デルタブルース

まだまだ終われないシルクフェイマス

エアグルーヴ以来の牝馬制覇を遂げたヘヴンリーロマンス

ターフを去ったキングカメハメハの分もハーツクライ

あの驚きの再現へスズカマンボ

毎日王冠の鬼脚を再びサンライズペガサス



今年の有馬記念、世間は一強という評価。勿論それは私も変わりません。

間違えてもこの馬が負ける馬券は組めない。

そしてあのディープインパクトを本命にするのなら、やはり馬券は一点か二点で仕留めたい。



相手はどうするか・・・既に心は決まっていますが再度この日記を通して考えていきたいと思います。



※今日は脱線し過ぎました。明日からは予想を。