有馬記念 最終結論

シルクフェイマススイープトウショウの回避はとても残念です。



さて今日はまずゼンノロブロイを検証していきたいと思います。

昨年の古馬三冠から一転、年明け初戦の宝塚記念スイープトウショウの豪脚に屈し、夏場のインターナショナルSは2着。そして迎えた秋初戦の天皇賞(秋)・・・現役古馬最強馬が牝馬へヴンリーロマンスに差し返される屈辱を味わいました。そしてジャパンカップアルカセットハーツクライの両馬に屈した。



こう見るとゼンノロブロイは最早全盛期の力を失った・・・テイエムオペラオーの再現か・・・・という声が聞こえてきそうですが、そんな事は馬柱を見れば誰でも感じることで、それじゃあ妙味も無いので、今回はもう少しつっこんで検証します。



まず宝塚記念とインターナショナルSは省略する事を先に伝えておきます。

力の衰えを検証するには秋2戦で十分でしょうし。



2004年の天皇賞(秋)

上がり34.4というのは出走馬の中で最速。道中のラップは時計を見れば明らかだが、ローエングリン如きが5着に踏ん張った事を考えても緩かった。2着には終始3番手と前々で競馬をしたダンスインザムード。そして3着にアドマイヤグルーヴ。4着にツルマルボーイ、6着にナリタセンチュリー。その中でロブロイが歩んだ通過順は11−8−9。鮮やかな差し切りだった。ただこのレースはとてつもなくレベルが低い。掲示板に牝馬2頭が乗った事もそうなのだが、先程書いたようにローエングリンが5着、挙句の果てにはシェルゲームトーセンダンディまで出走している。しかもトーセンダンディに至っては8着。正にロブロイに勝って下さいと言わんばかりの面子。



2005年の天皇賞(秋)

この週の東京は信じられない程の高速馬場(まあこの時に始まった事ではないが)。ロブロイの上がりは32.7でへヴンリーロマンスと同タイム。但しへヴンリーが奇跡の様な経済コースを取れたのに比べロブロイは最終コーナーで外を回っての内容。ただここで忘れてはいけないのがロブロイの位置取りだろう。通過順は6−6−8。最も早い上がり(32.6)を見せたハットトリックが7着。3番手に早い上がりを見せたスイープトウショウハーツクライが32.8の上がりを見せても、33秒でまとめたアサクサデンエンダンスインザムードを差せなかったのは馬場の異常以外考えられない。そして32.8で同じくまとめたリンカーンテレグノシスが14着・15着。32.7のキングストレイルが出遅れたとは言え16着・・・

いやもっと言えば34秒台の上がりが一頭もいないのだ。これは本当にJRAは考えなくてはいけない。どれだけ馬の脚に負担をかけてるのか・・・どうしてここまで馬場を硬くする事に意義があるのか。呆れるような結果だった。最早位置取りつまり脚質という競馬にとっての大きな醍醐味が奪われたレースでもあった。

ただここから考えると横山の位置取りはいい判断だったと思う。ただ残念な事に松永幹夫が素晴らし過ぎた。レース自体はストーミカフェが楽に逃げ、それをタップが追走。400過ぎにダンスインザムードが早くも先頭に立ち、そこに内からへヴンリーロマンス、外からロブロイが追い込んでくる。そして上記に書いた様に32.7の叩き合いの末へヴンリーが勝つというものだった。ここから見えるのは当然メンバーで最も強い競馬をしたのがロブロイだという事。力の衰えは感じない。内圧倒有利、外圧倒不利での馬場な事は結果が如実に表している。但しお世辞にもレベルの高いレースでは無い事も付け加えておく。



2005年のジャパンカップ

記憶に新しいジャパンカップ、なので手短に。レースを見た印象はやはり強い競馬をしたのがロブロイだったという事。確かにハーツクライの上がり34.4はメンバー随一だが、この時の東京はバイアスが後ろに傾いていたし、何しろあそこまで溜めれば切れて当たり前。ルメールの瞬時の進路判断もこの時計に貢献している。対してロブロイは大外を回っての競馬、勝ち馬のアルカセットが内を割いてきたのとは比べ物にならない。道中近い位置で競馬をしていたのに、最終コーナーであれだけ通ったコースが違えば結果は目に見えている。ここがやはりデザーモデットーリの違いなのだろう。後はここで注意しておくべき事はタップダンスシチーの粘りが大分戻ってきた事か。直線途中までの時計なら全盛期の内容に近づいてきている。



ゼンノロブロイの扱い方

正直言って力の衰えは無いと思う。ただやはり昨年が「井の中の蛙」だったという事。

昨年と何が違うのかと言うと何もかもが上手く運んだのが→上手く運ばなくなったという事だけだろう。

秋のロブロイは常にメンバーで最も強い競馬をしているが、通ったコースが悪すぎるし、そうじゃない時は馬場などの第二要因によって足下を掬われている。やはりオペラオーと同じ道を辿る可能性が強い。



ロブロイじゃディープインパウトには敵わない、例えディープが菊花賞のようにかかったとしても力のバロメーターが違いすぎる。という事で当たり前かもしれないが一着は考えられない。じゃあ順当に2着に来るかと聞かれれば、その可能性は力だけを考えれば勿論十分にあるだろう。ただ過去にオペラオーがそうであったように、この手の恵まれてきた馬には一度勝てなくなると、そこを覆す運というか何かが欠けていると思う。



今回ディープが一着である以上、この馬が勝つ事は無い。

勿論それでも騎手は勝とうと強気の競馬をするはずだから何かに足下を掬われる可能性が、力を十分に発揮して何も無く運んで2着に来る可能性よりも高い。ターゲットをディープにおく以上そういう可能性の方を重視した方が面白いだろうし。そう考えると自分の中で自然とハーツなども無い訳で、やはり前にいく馬しか2着候補はいない。でそこで思い当たるのがデルタブルースかタップしかいないというわけだ。今回バルクが五十嵐に戻して来たと言う事で逃げる可能性も否定出来ない分、タップは評価を下げざる得ない。じゃあデルタで決まりかというとどうも、そんな単純な思考でいいのかと自問自答してしまう。



でも買う馬券はこれ以上検討がつかないというのも事実であって、仕方なくそこに落ち着こうと思う。

3連単

1着ディープインパクト

2着デルタブルースタップダンスシチー

3着ゼンノロブロイ



こういう感じかな。有り触れた結論になったのが何とも言い難いがよしとしよう。