馬は騎手を成長させる

本日の東京優駿・・・みなさま如何だったでしょうか?
個人的な感想から述べさせてもらいますと、勝ち馬の勝利は非常に胸を打つ物がありました。スタートから抜群の出脚で騎手としてはこれ以上に無いアドバンテージを貰ったと思います。それでも天下のダービー。石橋の出方・動きが気になりましたが、非常に落ち着いた判断を下しましたね。サムソンの美徳を最大限に生かした騎乗方法でした。


私は以前きさらぎ賞での石橋の騎乗に苦言を呈しました。
ドリームパスポートに負けたレースでですね。
あの時の馬場は「内悪く・外伸びる」という典型的なトラックバイアスが働いていた日でもあります。その時のサムソンの3〜4コーナーにかけての手応えは抜群の物がありました。いつでも抜け出せ、いつでもスパート出来る状態です。


但し彼はバイアスを意識し過ぎた余りに、過剰に馬を外に膨らませ結果内を付いた安勝ドリームパスポートに脚を掬われた訳です。バイアスを意識するというのはジョッキーにとって非常に重要な要素。現代競馬に置いて言えばバイアスは勝因の8割近くを占めてしまう場合も稀にですがあります。その特徴を最も己の中に取り入れ使いこなすのが武豊である訳です。きさらぎ賞の時の石橋の騎乗はバイアスを理解はしてるけども、使いこなせていない日本の騎手の典型例でした。


本日の東京競馬場
予想に反して随分と馬場は悪化してしまいました。
メイン付近のレースを見るに実に逃げ・先行馬有利、差し追い込み馬は苦しいというパターンも。そんな中で行われたのが本日のダービー。
天気は18頭に平等に与えられた利点であり、難点でもあります。
向き不向き然り、差し届かない馬場然り・・・これらの物も含めてダービーを手にするには至難の業。そういう運も持ち合わせてこそダービー馬に相応しい。


今日の石橋の進路取りは実に素晴らしかった。
スタート後に内へ少し下げ道中は極力消耗させず、3〜4コーナーにかけて外に徐々に進出。曲がりきる所では今日の馬場を考えれば視界は綺麗に開ける最高の状態。過度に外に振る過ちを繰り返さなかった。それが至高の舞台であるダービーで。彼は大ベテランの域に入る騎手。今までの癖とか、そういう乗り方・考え方は中々簡単には治らないと思います。それをここぞという場面で出来たのは彼の努力は勿論の事、サムソンの影響(きさらぎ賞スプリングS皐月賞)は計り知れない程大きかったと思います。


さて2年連続で2冠馬は誕生した訳です。後は最後の一冠である菊花賞
私はこの馬は以前に書いた様に皐月賞菊花賞なら物にすると述べてきた訳ですが、ダービーを取ってしまった以上、近代のスピード思考に傾いた他馬の事を考えればかなりの確率で高いと思っています。


後は一つ付け加えるなら、アドマイヤメインを豊が捨てたのも今日の走りを見れば大きかった。こういう巡り合わせも含めサムソンは三冠を手にする資質には最早長けていると言ってもいいと思います。


さて話は逸れますが私の本命は見事に散りました(^^;
皐月賞でサムソンに恩を受けたにも関わらず、この馬に対しては結構見抜けているという変な自信から対抗に留めてしまいました。きさらぎ賞からずっと信じ続けた馬をなんですね(笑)


アドマイヤムーンに関しては今日の内容を見る限り前が開けていたとしても無理だったでしょうね。差し馬で最も可能性を感じさせた馬はマルカシェンクでしたから。エンド×母父サンデーというのはやはりマイル付近に適正があるのかな。私はレース前に母系を考えて大丈夫と判断を下しましたが、あの伸びの無さはやはりそういう物を否定出来ない物があると思ってしまいした。


さてあともう少し私はお暇を頂きます。あと2ヵ月程かな。
ここからはもう更新は無いと思います(多分w)。
復帰後はダートに趣を置く元の姿に戻ると思います。


※いいレースを見れた後は気持ちいい敗北感ですね(笑)今はそんな心境です(^^;