凱旋門賞〜ディープインパクト〜

さてさて土曜の馬券は見事に散った訳ですが、気にせずに凱旋門賞でも語りましょうかね。
前の前の記事で巷の熱狂とは他所に殆どディープインパクトについて語っていませんでしたし、当該記事でレース後に感想を綴ると書いた訳ですから。


日本の希望が世界の壁に跳ね返された日・・・一般的にはそういう感想になるのかな?
お気に入りの色々なサイト様を閲覧していましたが、人それぞれの見解という感じでしょうか。共通してる点は競馬に詳しければ詳しい程レース後のディ−プを讃えるとまではいかないまでも擁護(適切な表現では無いと思いますが)していたという点でしょう。


各言う私もレース後に色々な友達に電話をもらったり、次の日に行けば「なぜディ−プは負けたの?」という質問を繰り返されました(^^;
自分也に何度かレースを見直しましたが、結果的には岡部が間接的に言っていたように仕掛けは少し早かったのかもしれませんが、これを大々的にここに書き非難する気にはなりません。それこそ素人というか・・・にわかファンの見解その物に思えてきてしまい陳腐というか馬鹿げていると思います。


仕掛けが早いとなぜこれだけ言われる原因になったかは、ゲストの岡部やぺリエのレース後のインタビューにあるんでしょうね。岡部はルドルフで辛酸を舐めた経験者ですから、既に一ゲストという立場を忘れていましたし、ぺリエに至ってはそれこそ失望しました。


私は武豊というジョッキーに好意を抱いています。
その理由は今更ながらに語りたいとは思いませんが、ぺリエに失望したのはそういう所に理由がある訳ではありません。ぺリエが同じレースで競馬をしていながら結果論で凱旋門賞・・・いやディープインパクトを語っていたから。


レース前の世界の評価をもう一度思い返して欲しい。
ディープインパクトハリケーンランシロッコの三つ巴の頂上決戦・・・多頭数が常の凱旋門賞にしては回避が続出したように世界の競馬に直接関わる人間までもがそう思っていた訳です。


今語った事を基礎に据えながらレースを振り返りましょう。
スタートははっきり言って良すぎましたね、これはでも仕方無い。
そこから早めの位置取りを選択したのもまず間違えていないチョイスだと思います。
あれを間違いと語る人はフランスの競馬を知らないんでしょう。
またあそこから下げていては話にならなかったと思います。


さて武豊ハリケーンランを道中で見事に封じ切り競馬をさせませんでした。
これは天晴れ、既に直線の入り口で3強の一角の希望を絶った訳ですね。
そこから三強のもう一角であるシロッコが早めにスパートを開始した。
ここで豊は仕掛ける訳ですね、岡部が「まだ!まだ!」と連呼していた気持ちは理解できます。ただ決定的に豊と岡部には違いがある訳です。馬に跨りその場で競馬をしていた豊と上空から馬群を見れた岡部・・・もし岡部が豊の立場であれば同様にスパートしていたんでしょう。あれで豊の騎乗批判に繋がったという風潮が強い訳ですから残念ですね。


豊の気持ちに立てば、ハリケーンランを潰したならシロッコを負かした時点で勝機が訪れると考えるのは必然な訳です。巷で騒がれているように結果論で物事を語るのはあまりにも競馬を知らないというか、競馬を見ていないと私は思います。


ディ−プの敗因として挙げられているのは、上記の他にもロンシャンの重く深い芝に合わなかった、馬格の小さい馬にしては斤量が辛かった、ステップを踏まないのはやはり得策では無かった・・・などなど多数挙げられると思います。


正直私にはどれもそれらしい理由に見えて理由で無いという結論に行き着いてしまいますね。
どれも結果論である事は勿論ですが、ピンと来ない。
じゃあ何か敗因を一つ挙げろと聞かれれば「単純にディープにはすべてを跳ね返すだけの力が無かった」と言うと思います。即ち三強の内の二強潰した後にレイルリンクetcを塞ぐ力が無かったという訳です。


これが私の凱旋門賞の感想。
どれか一つに言及するには余りに難しいレースであったと思います。


結果的に豊を擁護した事になる私ですが、一つだけ豊に苦言を。
レース後にNHKのインタビューアーが豊にコメントを求めましたね、それを彼は無視した。
あれは正直ショックな映像でした。豊程のジョッキーですからレース後に色々と思う事はあったでしょう。期待が大きかった分語りたくないのが人間であると思います。


但し彼は日本のトップジョッキーであり、素人にしてみれば競馬=武豊である訳です。
スポーツマンとして今までの豊は非常に好感が持てる対応をしてきました。
今回・・・マスコミの過熱放送があった事は否定しませんが、それでも彼はレース前に様々なインタビューの受けてきた訳で、彼が日本を代表する一人のスポーツマンであれば負けた時こそ何か一言だけでも(例えば「残念でした」でも)発して欲しかった。


今回マスコミの過熱報道の影響で多くの競馬に接点が無い人までもがTVに喰らい付いた事でしょう。競馬を知らない、又は競馬の良さをこれから知ろうとする人が彼のあの行動を見たらどう思うでしょうか?武豊はしばしば日本の競馬をこうして変えていきたい!というメッセージを紙面や映像を通じて我々競馬ファンに訴えかけてきました。競馬=武豊という競馬の知識が無い人達には、あの映像は非常に感じが悪く見えた事と思います。


ただ一つ・・・その事が残念で仕方ありません。